ProtonVPN、インターネット検閲とVPNブロックを乗り越えるプロトコル開発

Protonはこのほど、「Defeat censorship with Stealth, our new VPN protocol|Proton」において、インターネット検閲およびVPN(Virtual Private Network)のブロックを回避する新しいVPNプロトコル「Stealth」を開発したと伝えた。このプロトコルにより、政府のアクセス制限、高度なVPNブロックを回避し、ソーシャルメディアと通信できるという。

VPNプロトコルのブロックとは

Protonは2017年以降、一般的なVPNよりも高いプライバシー機能を持つVPNサービスとして「Secure Core VPN」を提供している。2020年からはVPNブロックの回避を可能にし、2021年には高速化にも取り組んでいる。

しかしながら、権威主義国家は情報統制を推進しており、その妨げになるVPNのブロックにも力を入れている。ディープ・パケット・インスペクション(DPI: Deep Packet Inspection)の登場により、VPNの検出とブロックはますます容易になったといわれている。

Protonによると、さまざまなプロジェクトがVPNブロックを回避するため、既存のVPNプロトコルの難読化に取り組んできたが、うまく機能していないという。そこで今回、VPNブロックを回避できるプロトコルを一から設計しなおし、ほぼ完全に検出できない「Stealth」を開発したと説明している。

Stealth VPNの仕組み

新しいVPNプロトコル「Stealth」はHTTPSに偽装することで検出を回避する。このアイデア自体は他のVPN製品にも存在するが、Stealthは独自の方法でインターネットフィルターを回避するという。また、TCP(Transmission Control Protocol)経由のOpenVPNと比較して、高いパフォーマンスを実現できるとされる。

StealthはWindows、macOS、Android、Android TV、iOS、iPadOSのProton VPNアプリから利用可能。本稿執筆時点では、LinuxのProton VPNアプリから利用することはできない。

国内最大級の品揃え【DMMブックス】ロリポップ!
どんなソフトを使ったら良いか分からないアナタに!ソフトナビ

さらなる検閲対策

BleepingComputerによると、Proton VPNアプリはStealth以外にも検閲対策としてアイコン隠蔽機能「Discreet Icon」の提供、および12カ国へのサーバ新設を実施したという(参考:「Proton VPN adds ‘Discreet Icons’ to hide app on Android devices」)。Discreet IconはProton VPNアプリのアイコンを別のアイコン(天気やメモ)に変更して、デバイスへの直接的な検閲を回避する。

アイコンの変更画面 引用:Proton

サーバはアフガニスタン、バーレーン、エリトリア、エチオピア、イラク、クウェート、リビア、サウジアラビア、スーダン、タジキスタン、トルクメニスタン、イエメンの12カ国に新設される。これらサーバは物理的には対象国の隣国に設置され、対象国のIPアドレスをシミュレートすることでローカルサーバとして機能する。

これら機能はすでに利用可能となっている。しかしながら、権威主義国家はこれらアプリの利用を法律で厳しく制限している場合があり、実際の利用は自己責任となる点に注意されたい。

情報元
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20240816-3000838/