ドライバーが給油する「セルフ式ガソリンスタンド」ではやってはいけない行為として「継ぎ足し給油」が挙げられます。ほかにはどのようなNG行為があるのでしょうか。
セルフ式GSで気を付けなければならないことは?
ガソリンスタンド(以下、GS)で燃料を給油するとき、量や金額を指定して給油することもできますが、可能な限り多く入れる「満タン」で給油する人も多いでしょう。
そして、有人のフルサービスGSではスタッフが給油口のギリギリまで「継ぎ足し給油」をする光景を見かけますが、セルフ式GSでそれはNGとされているのですが、なぜなのでしょうか。
実は、スタッフが給油してくれるフルサービスと、ドライバー自らが給油するセルフサービスで満タン給油の考え方は異なるのです。
フルサービスGSで継ぎ足し給油が可能な理由について、大手石油会社に聞いてみました。
「GS経営者や管理者業務にあたるためには『危険物取扱者・乙種第4類』の免状が必須になります。
この免状を持っている経営者や管理者業務の指揮・管理・監督のもとであれば、免状が無くても給油することが可能になります。
フルサービスGSでは、管理・監督のもとスタッフが給油作業を行います。そのため、要望があれば継ぎ足し給油を行うことが可能となっています」
フルサービスGSでは要望すれば給油口ギリギリまで満タンにすることができるといいますが、吹きこぼしなどの注意もあるため給油前にスタッフに確認すると良いでしょう。
一方、セルフ式GSでの継ぎ足し給油がNGである点については次のように言います。
「フルサービスとセルフサービスの大きな違いは、お客さま自身が燃料を給油するか、給油しないかです。
セルフサービスでは基本的にスタッフが給油をすることはなく、お客さまが給油することから、GSの管理業務者からの指揮・管理・監督からは外れることになります。
継ぎ足し給油は、燃料の吹きこぼしや引火などさまざまな危険性があり、そのためオートストップしてからの継ぎ足し給油は控えるように周知をさせていただいています」
継ぎ足し給油のほかにも、セルフ式GSでは安全に給油するためにやってはいけないNG行為があります。
まず「手を離して給油する」はやってはいけません。燃料の給油量は、セルフ式GSでは毎分30リッターから35リッターです(フルサービスは毎分45リッター)。
1秒あたり約0.58リッターとなり、500mlのペットボトルが1秒で空になる流量ですから、給油中にレバーから手を離したとたんにノズルが外れる可能性もあり危険です。
また、スマートフォンやそのほか電子機器を使用しながらの給油は注意力散漫になり、吹きこぼしを招く恐れがあることから控えたほうが良いでしょう。
ほかにも、「エンジンを始動したまま給油する」とエンジンの熱や火花が引火源になる危険性があるほか、静電気放電はガソリンのような可燃性物質を着火させ火災を引き起こすことから「静電気除去シート」に触れずに給油することもNGです。
そして、タバコやライター、電子タバコなどの火気類はもちろん厳禁です。
危険物を扱っているということを意識して、セルフ式GSでは注意して給油しましょう。
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万が一、燃料が吹きこぼれてしまったらどうすれば良いのでしょうか。
まずはすぐに拭き取ることが大切で、セルフサービスの静電気除去シートの近くに備わっているウエスで拭きとりましょう。
ただし注意点もあり、前に給油した人の拭きこぼした燃料がウエスに染み込んでいる場合は、汚れたウエスでボディを拭くと余計に燃料が付いてしまう可能性もあります。
もしウエスが汚れていたら、最寄りスタッフに交換を依頼すると良いでしょう。
または、吹きこぼれた燃料を水で流すもの良い方法です。セルフ式GSでは、給油レーンのそばに水を備えてある場合があり、すぐに洗い流すことでボディのダメージを防ぐことができます。