著作権で保護されたコンテンツをYouTubeで識別・管理できる「コンテンツID」の仕組みを悪用し、無関係な楽曲から不当に稼ぎを得たとして、アメリカ在住の男2人に懲役70カ月(5年10カ月)の実刑判決が下りました。
U.S. Seeks 70-Month Prison Sentence for YouTube Content ID Scammer * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/u-s-seeks-70-month-prison-sentence-for-youtube-content-id-scammer-230623/
Man who stole more than $23 million in YouTube music royalties scam faces 70-month prison sentence | TechSpot
https://www.techspot.com/news/99189-man-who-stole-more-than-23-million-youtube.html
著作者はYouTubeにアップロードしたコンテンツと一致する動画を、コンテンツIDを利用して検出することができます。一致する動画が見つかった場合、著作者が申し立てを行うことで、該当のコンテンツを収益化して著作者自身が収益を得るなどの対応を行うことができます。
被告人のジョゼ・メディナ・テランとウェブスター・バティスタはコンテンツIDの仕組みを悪用し、YouTubeにアップロードされたコンテンツの中から収益化されていない楽曲を探し出して自身らのチャンネルにアップロードして、自身らが楽曲の著作権を有していると主張しました。
こうした動画から著作権使用料を受け取るため、両被告人はMediaMuvという会社を設立。AdRevという著作権登録の代行会社に「自分たちが5万曲以上の楽曲の著作権を有している」と主張する偽の書類を送って著作権使用料の徴収代行を任せ、その結果無関係な楽曲から合計2300万ドル(約33億円)の稼ぎを得たとされています。
テランの弁護士によると首謀者はバティスタであり、ミュージシャン志望だったテランはバティスタを尊敬していて、音楽、映画、ミュージックビデオの制作という夢を一緒に実現できると信じていたと主張しているとのこと。
スタは2022年4月に容疑を認め、無罪を主張していたテランも2023年2月に容疑を認めて司法取引に同意しました。2人が不正に得た利益の一部は55万ドル(約7900万円)の豪邸や、テスラ、BMW、宝飾品の購入に使われていましたが、司法取引の一環としてこれらはすべて没収されました。
情報元
https://gigazine.net/news/20230627-youtube-content-id-scammer-prison-sentence/