iPhone新シリーズ発売のタイミングなどには、メルカリでも中古iPhoneの取引が活発になります。iPhoneだけでなく、Androidも含めてスマートフォン(以下、スマホ)はメルカリでも売買が可能ですが、洋服や雑貨などとは違い、出品のハードルが高いのも事実。
今回は長年メルカリユーザーで人気ブロガーのコグレマサトさんに、スマホをメルカリで売る場合のコツや注意点を聞きました。
おすすめの出品タイミングは?
川崎:スマホは新機種が発売になった直後にメルカリで取引数が増えると聞いたことがあります。メルカリでスマホを売る際、出品のタイミングは気にしていますか?
コグレマサトさん(以下、コグレさん):特に気にしていないですね。ただ、買い替えの機会が多いので、必然的に新機種が出るタイミングになっています。新機種が出ると古い機種が売れやすくなる傾向はあると思います。
特に今は為替の影響もあって、Apple製品の価格も高くなっていますよね。新品では高いですし、1つ前のモデルでも機能的には問題なく使えるものが多いので、メルカリで中古のiPhoneを狙っている人は多いと思います。
箱はあった方が売れやすい? 出品前に確認すべきことは
川崎:コグレさんがメルカリでスマホを出品する際、どのようなことを確認していますか?
コグレさん:スマホだから特別気を付けていることはなく、基本的にはメルカリに不用品を出品するときと同じです。傷の有無や部品や取扱説明書があるかどうかなどです。スマホは販売価格が数万円になることもあるので、傷に関しては注意深くチェックしています。
iPhoneに関しては、「iPhoneを探す」をオフにすることは必須です。設定アプリで1番上に表示されている名前をタップし、「探す」で見つけることができます。「iPhoneを探す」はApple端末を失くしたときに場所を特定できる機能なので、オフにして置かないと購入者が位置情報を取得できてしまいますからね。
川崎:箱はあった方が良いでしょうか?
コグレさん:箱の有無は価格にあまり影響しないと考えています。ただ箱は取ってあるので、一緒に出品しますよ。あとはイヤホンや充電器も使わずに保管してあるので、そっくりそのまま出品しています。あえて使わないのではなくて、他に使っているものがあるから使わない状態なんです。
商品説明に「書くべき」こと
川崎:商品説明に必ず書くことは何でしょうか?
コグレさん:バッテリーの最大容量(※バッテリーの劣化状態を見る目安)は必ず書きますね。これを気にしている人は多いので、書かないと質問が来ることもあります。iPhoneのバッテリーの最大容量は、設定アプリの「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」から確認ができます。
川崎:バッテリーの最大容量は、どのくらいが目安になりますか?
コグレさん:僕が中古iPhoneを買うとしたら、バッテリーの最大容量は80〜85%くらいはあるといいなとは思いますね。
川崎:他に書いていることはありますか?
コグレさん:IMEI番号ですね(※「IMEI」は端末識別番号で、「国際移動体装置識別番号(International Mobile Equipment Identifier)」の頭文字を取ったもの。電話番号や回線契約に関係はなく、端末が持つ固有の番号のこと)。
iPhoneの場合は、設定アプリの「一般」→「情報」で確認ができます。なぜIMEI番号を掲載するかというと、ネットワーク利用制限が確認できるからです。実はメルカリでもIMEI番号の掲載は推奨しています。
もう1つ書くようにしているのは、どこで購入したかです。iPhoneの場合には、Apple Storeなら間違いないというイメージが強いので、購入者も安心できると思います。
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あえて紹介文を短めにするのはアリ?
川崎:iPhoneなど、スペックをほとんど書かずに機種名だけでメルカリに出品している人もいます。短めにした方が良いのでしょうか?
コグレさん:先ほど話したように、バッテリー残量やIMEI番号など、スマホに関する基本的なことは書きますが、公式Webサイトの製品ページに記載されているような細かい書き方はしません。商品説明が大切なのは理解しつつも、あえて細かく書かないようにしているんです。
あまり詳しすぎると、マニアに品定めされるのではないかと思ってしまうんですよね。そのため「気になることは質問していただければ、確認して返信します」というスタンスです。「ふわっと出品してふわっと買ってもらう」という感じでしょうか。
もしかしたら詳しく書いた方が高く売れるかもしれないですが、それだけ「購入者の期待値が高くなってしまうのでは?」とも思います。出品画面や商品説明は、見る人によって印象が違うので、僕(出品者)が思った以上に期待されてしまうかもしれません。実際に届いた商品が期待以下になると、クレームを生み出しやすくなるような気がするので、期待値を下げて買ってほしいと考えています。
例えばほぼ新品でもワンランク下げて、やや傷ありにすることもあります。「高く売る」よりは「クレームを受けない」ことを優先しますね。気持ちよく取引したいんです。
写真撮影や梱包は、意外とざっくり
川崎:写真撮影時に気をつけていることはありますか?
コグレさん:傷をはっきりと撮るようにしていますが、こだわりを持ってキレイに撮ることはないですね。一般的なスナップショットのような感じです。これも購入者の期待値を上げないためです。もし追加で写真の掲載をお願いされたら対応しますが、出品時に写真の枚数を10枚使うことはほぼありません。
川崎:中古スマホを発送するときには、何か特別な梱包材を使用していますか?
コグレさん:通販で購入したときの段ボールを再利用するなど、自宅にあるものを利用することが多いです。緩衝材もリサイクルしています。スマホの場合は壊れ物扱いになるので、段ボールなど丈夫な箱を使って、雨対策もしっかりしています。受け取った購入者の気持ちを考えると、丁寧に梱包しようと思いますね。
梱包に関しては、やり方というよりは、付属品や取扱説明書を入れたかどうか、そして「iPhoneを探す」がオフになっているかを何度も確認します。最終的な商品チェックの方を重視しています。
販売価格の決め方や、値下げ交渉への対応は?
川崎:販売価格はどのように決めていますか?
コグレさん:メルカリに出品する際に相場が表示されるので、それを参考にすることもあります。しかし相場には幅があるので、自分が出品するものと同じ程度の使用感がある出品物と合わせるようにしていますね。メルカリには値下げ交渉もありますし、相場よりも少し高めに設定しておいて、売れなければ少しずつ下げていくこともあります。
川崎:値下げ幅はどのくらいが多いのでしょう?
コグレさん:これまでの経験では、1~2割がほとんどです。ただ、中には「そんなに?」と思うような金額で交渉してくるユーザーもいます。半額での交渉はほぼないですが、自分の想定金額まで下げた金額から「さらに値下げを!」となるとちょっと……。
値下げ交渉は「ほとんど断る」
川崎:強烈な値下げは別として、値下げの依頼は断ることもありますか?
コグレさん:ほとんどの場合、断りますよ。例えば4万円のスマホで5000円の値下げの依頼が来たら、その場では断ります。そして1000円ほど下げて、「この金額でよければ購入してください」というようにします。値下げ交渉をしてきた人の中には、価格が下がればラッキー程度に思っている人もいますからね。
少し価格を下げると、横からサクッと買われてしまうこともあります。そうなることを、虎視眈々(たんたん)と狙っている人もいるんだなと思います。僕の感覚では、ほとんどのユーザーは値下げ交渉をしないで、自分が納得できる商品があればその価格で買っているように思いますね。もちろん売る物によって異なるので、もしかしたら交渉を受けやすい商品が存在するのかもしれません。
川崎:中古スマホはどんな人が買っていると思いますか? 業者では? と思う人もいますか?
コグレさん:う〜ん、それはなんとも言えないですね。でもメルカリを使っていて思うのは、本当にいろいろな人がいるということです。例えば子どもが学校に入学をすると親も保護者同士の付き合いが増えるなど人間関係や世界が広がりますが、メルカリでも同じなんですよね。取引相手が日本中にいて、それぞれ考え方も違います。だから、自分の常識だけで考えない方がいいとは思いますね。
実際に、自分では考えもしなかった物がメルカリでは取引されていますよね。例えば片方だけの靴とか。自分では売買しようと思わないものでも、他の人にとっては欲しい物、売りたい物になるわけですから、自分の経験や知識、常識を超えた部分もメルカリにはあるとは感じます。
クレームを防ぐには購入者の期待値を上げないことが大切
スマホをメルカリで売るときには、購入者の期待値を上げないことを心掛けているコグレさん。高く売るよりもクレームを受けないことを重視しているそうです。メルカリを利用する人にはそれぞれ目的がありますが、このような考え方を取り入れると、気持ちいい取引が可能となるのでしょう。