YouTubeは、30秒のスキップできない広告を導入すると発表した。
テレビ業界の広告主やメディアが集うイベント「Upfronts 2023」において発表されたもの。YouTubeでは15秒のショート動画から15時間のライブ ストリームまで、これまで以上に多くのクリエイターによる動画が配信されており、またより多くの視聴者が訪れていると紹介。そしてこれは広告主のエンゲージメントが高まっていることを意味していると説明する。
また、視聴方法にも変化があり、家の大画面テレビで視聴するユーザーが増加しているという。最新のレポートでは、YouTubeの視聴者数が増加し、米国において最も視聴されているテレビのストリーミングサービスとして、再びYouTubeが第1位になり、米国のコネクテッドテレビで1億5000万人以上に視聴されているとのことだ。
こうした視聴者数の変化に対して、広告主も増えていることから、広告主があらゆる画面で視聴者が好むクリエイターやコンテンツを利用できる、さらに多くの方法を共有するとして、2つの発表を行った。
そのうち1つが、先述の30秒間のスキップできない広告となる。これは15秒間の広告が2本連続で流れるのではなく、1本の30秒間広告が流れる仕組みで、「大画面で長編のクリエイティブを実行でき、より豊かなストーリーテリングが可能になる」と紹介されている。
30秒広告は、登録者数や視聴数などが多く、かつ有害なコンテンツを配信していない上位5%の優良チャンネルに配信されるコネクテッドテレビ向け予約型広告「YouTube Select」に導入される。YouTube Selectはすでにその70%以上がテレビで表示されていることからも、既存の仕組みを利用しながら相性の良い方法でスムーズに配信できるとしている。
なお、過去にもYouTubeでは30秒のスキップできない広告を提供していたが、2018年に廃止されている。
もう1つが、新しい一時停止体験をコネクテッドテレビに導入するというもの。動画を一時停止することで広告が表示されるような仕組みで、視聴者の意識やアクションを促進できるとしており、視聴者がブランドについてさらに詳しく知ることができるようになると説明されている。
30秒広告はまず米国で利用可能になり、その後今年後半に世界中でスタートする予定とのこと。今後、コネクテッドテレビ以外でもこうした広告が導入されるかについては不明だ。