世界最大級のポルノサイトであるPornhubを運営するMindGeekが、カナダの投資ファンドに非公開で買収されたことが明らかになりました。MindGeekは未成年者の性描写の動画や合意に基づかない性暴力を含む動画について訴えられており、買収もそれに伴う動きと見られています。
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Pornhub is under new ownership – The Verge
https://www.theverge.com/2023/3/16/23643975/mindgeek-pornhub-sale-ethical-capital-partners
Pornhub owner MindGeek sold to private equity firm | TechCrunch
https://techcrunch.com/2023/03/16/pornhub-owner-mindgeek-sold-to-private-equity-firm/
2020年12月、ニューヨーク・タイムズが「Pornhubは投稿された児童ポルノやリベンジポルノから収入を得ている」という記事を掲載したことを受け、大手クレジットカードブランドのVisaとMastercardがPornhubにおける決済処理を停止する事態になりました。その後、1000万本以上の動画が一斉に削除され、動画をアップロードするユーザーに承認が必要になったり、年齢確認が厳格になったりと、規制が厳しく変更されています。
2022年7月29日にはカリフォルニア州の連邦判事がMindGeekと児童ポルノに関連する訴訟で「VisaはMindGeekによる児童ポルノの収益化を意図的に支援したと推測できる」としてVisaの責任の所在を認める裁定を下しました。また、MindGeekは2022年6月に「Pornhubが合意に基づかない性的に露骨な動画を長年ホストしてきた」と告発されてCEOとCOOが辞任しており、運営の問題点が数多く指摘されています。
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以上のような流れを受けて、MindGeekは2023年3月にカナダのプライベートエクイティファンドであるEthical Capital Partners(ECP)に買収されることが報じられました。買収額は未公開ですが、最近発表されたPornhubの売上は約4億6000万ドル(約610億円)で、利益率は50%に近いと見られています。
EOPはプレスリリースで「会社の法的問題を解決する」意図を示しており、「違法なオンラインコンテンツとの戦いにおける、インターネットリーダーとしてMindGeekに投資することに注力するつもりです」と述べています。ECPは他のアダルトサイト向けに年齢確認ツールや画像認識ツールを宣伝しており、それを活用する可能性があるとThe Vergeは指摘しています。ECOの創設パートナーであるファディ・マンスール氏は声明の中で「信頼、安全、コンプライアンスの基盤の上に構築されたMindGeekのダイナミックなテクノロジーブランドを、ECPのリソースと、規制、法執行、公的関与、金融にまたがる幅広い専門知識により、ユニークなアイデアで運営方針を強化していきます」と語っています。
ECPの共同設立パートナーである弁護士のソロモン・フリードマン氏はFinancial Timesの取材に対し、「MindGeekへの訴訟や批判は、MindGeekが現在どのようにコンテンツを保護しているかという誤解に起因しており、以前の会社の所有者を取り巻く秘密主義がその一因となっています」との見方を示し、「メディアを含む会社の利害関係者と定期的に関わっていきたいです。新しい会社の所有者が、透明性を発揮することを望んでいます」と運営方法を変えていく旨を示唆しています。
フリードマン氏によると、ECPの経営陣が「買収と資産を完全にコントロールしている」形となっており、MindGeekの以前の株主はいかなる形でも会社の所有権、権利、支配権を保持していないとのこと。また、MindGeekの運営はまだ辞任していない幹部によって継続される予定ですが、どの役職の人がどれだけ残るかなど詳細は明らかにしていません。