クルマに貼り付ける車検ステッカーの位置が、2023年7月から変更されます。これにはどのような狙いがあるのでしょうか。
車検ステッカーの貼付位置変わる!? その狙いは
クルマの新規登録時や定期的におこなう車検に通った際、クルマのフロントガラスに四角いステッカーの検査標章(以下、車検ステッカー)が貼付されます。
今後、この車検ステッカーの貼付位置が変更になると報道されていますが、一体どのように変わるのでしょうか。
クルマのフロントガラスに貼り付ける車検ステッカーは、有効期間 の「年号」と「月」が数字で記され、確認できるようになっています。
現在の貼付位置は、道路運送車両法施行規則第37条の3で、「検査標章は、自動車の前面ガラスの内側に前方から見易いように貼り付けることによつて表示するものとする」と定められています。
さらに細かい貼付位置は「車検業務の実施要領を定めた通達」でも決められており、一般的にはルームミラーの裏側に貼り付けられているケースが多いでしょう。
そんななか国土交通省は、車検ステッカーの貼付位置を変更することを明らかにしました。
具体的な変更について、運転者からもクルマの外側からも車検証の有効期間を確認しやすいよう、貼付位置を「前方かつ運転席から見やすい位置として、前面ガラスの運転席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置」と説明しています。
例えば、仮に右ハンドルであれば、運転席から見てフロントガラスの右側上部に車検ステッカーを貼り付けることになります。
車検ステッカー貼付位置の変更について、国土交通省は2022年6月に見直すことを明らかにしており、6月22日から1か月ほど、見直し案に関して広く一般から意見を募るパブリックコメントを実施。
6月時点では2023年1月に施行が予定されていたものの、2022年12月には検討中となり施行が見送られていました。
その後、2023年2月22日にパブリックコメントの結果とともに国土交通省の考え方を明らかにしました。国土交通省の担当者は以下のように話します。
「この新たな車検ステッカーの貼付位置に関しては、2023年7月3日以降から施行予定となっています」
今回公開されたパブリックコメントの中には、貼付位置の変更に賛成する声がある一方で、「車両の構造によってはかえって運転者の視界を妨げる」「車検切れを防止する効果が期待できないので現行のままで良い」など否定的な意見も見られます。
中には、「一部の悪質な者の対応のために変更を強いられるのが納得いかない」という厳しい声も。
これらの意見に対し、国土交通省は以下のように説明しています。
「さらなる無車検運行防止対策として、運転者が自動車検査証の有効期間を容易に確認できる状況を作ることで車検の受け忘れ等を未然に防止することを目的として、検査標章を運転者席からも見やすい位置に表示することとしました」
今回の変更点については、自動車検査証の有効期間の容易な確認や、車検の受け忘れについて未然に防止することを目的としているとのことです。
また、今回貼付位置を変更しても、運転者の視界の確保に大きな支障が生じることはなく、仮に運転者の視野を妨げる場合には例外として「運転者の視野を妨げない、前方かつ運転者席から見やすい位置でも貼付が可能」と回答しています。
2023年1月に予定されていた車検ステッカーの貼付位置変更は、同年7月の施行が決まりました。
なお、車検ステッカーを指定位置に貼付しなかった場合は道路運送車両法第66条に違反し、50万円以下の罰金が科される可能性があります。
今後、車検ステッカーの貼付位置については業者に確認するなど十分注意する必要があるでしょう。
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