住宅地図帳や地図データベースで知られるゼンリン(本社・北九州市)の社名の由来が注目を集めています。ツイッターで紹介した担当者に話を聞きました。
トレンドのハッシュタグに合わせて
今月10日、ゼンリンのツイッターアカウントがこんなつぶやきを投稿しました。
「『ゼンリン』は、隣国や隣近所と親しくすることを意味する『善隣』が元となっています。これは、創業者である大迫正冨の『平和でなければ地図作りはできない』という想いが込められています」
ハッシュタグ「#みなさんのツイッター名の由来が知りたい」を付けてツイートされたこの投稿。
添付された画像には、本社に設置されている「善隣」と彫られた碑が写っています。
このツイートに対して「前輪ではないのですね」「勝手に全隣かと思っていました」といったコメントが寄せられ、いいねは6000を超えています。
担当者に聞きました
「対象ハッシュタグがトレンドにあがっていたため、当社名の由来をツイートしようと思いました」
そう話すのはゼンリンのツイッター担当者です。
創業者の大迫正冨氏らが「観光文化宣伝社」を立ち上げたのが1948年。
観光地である大分県別府市で、街頭宣伝や観光案内などの事業を行っていました。
出版部門を継承して「華交観光協会」とし、観光案内の小冊子「年刊別府」を発行。
その小冊子の付録として折り込まれていた市街地図が観光客から評価されました。
大迫氏は「地図はもっとも重要な情報源なのだ」と気づき、日本中の住宅地図を作ることに。
社名を「善隣出版社」と変えて事業を本格化させて、現在のゼンリンに至ります。
カタカナの「ゼンリン」に
社名にもなった「善隣」の由来については、こう説明します。
「大迫正富が勤務していた華北交通の社訓『善隣協和の大義を宣揚すべし』という言葉に由来しています」
華北交通は中国北部で鉄道経営を担った会社で、大迫氏が別府で観光文化宣伝社を立ち上げる前に働いていたそうです。
その後、カタカナの「ゼンリン」に商号変更したのが1983年。
商標としての「ゼンリン住宅地図」が普及していたことから、社名もカタカナになったとのことでした。
社名の由来が話題になったことについて、担当者はこう話します。
「社名の由来については過去に幾度となくご紹介させていただきましたが、まさかここまでご反響をいただくとは全く思ってもいませんでした」
情報元
https://withnews.jp/article/f0230122002qq000000000000000W00o10201qq000025442A