雇用の多様化により転職が当たり前となった昨今。しかし、傷ひとつない経歴の人は少なく、ほとんどの人がなんらかのネガティブ要素を抱えているものです。例えば一般的に転職に不利とされる前職(現職)の勤続年数が短い人は応募書類にどう書けばよいのでしょうか。『30代後半~40代のための 転職「書類」受かる書き方』より一部、抜粋・編集のうえご紹介します。
「3年以下」だと短い
前職(現職)の勤続年数が短い、要は短期で辞めた(辞めようとしている)場合、転職にどのような影響があるのでしょうか。
採用人事の世界では、一般的に3年以上をキャリアとして認める傾向にありますので、これより短いとこのケースに該当します。
なお、新卒入社した会社をすぐ辞めてしまった等、若い頃に短期離職の経験がある、しかしその後は継続勤務できているといったケースは、この年代ですから悪影響はないと考えて大丈夫です。
どのような事情があったにせよ、自らの意思で短期離職したら、転職には不利に働きます。「最近、すぐ辞めてしまった人」をわざわざ採用する動機がありません。一方、会社都合、例えば倒産や事業所の廃止・縮小による短期離職であれば、その事由をきちんと伝えれば不利には働きません。
「実は以前の職場や上司に問題があって、その職場というのは~」
「入社前の説明と大きく違い、実際に働いてみるとこのような酷い状態で~」
と、短期離職の理由をつまびらかに説明しても、「そもそもあなた自身に問題はなかったのか?」と採用人事は疑問視します。
こうした他責傾向が強い人の採用は絶対に避けたいと思っていますから、「会社側に問題があったという内容を詳細に説明すれば、採用人事はわかってくれる」という考えは捨ててください。
もちろん短期離職に至った経緯や理由には触れておくべきですが、仮に事実だったとしても、「一方的に相手を批判する他責傾向のある人」と捉えられないように注意すべきです。また自身にも反省すべき点があったと素直さをPRしつつも、次に活かす決意などを述べておきましょう。
・会社と目指す方向性が違うのがわかり、決断は早いほうが良いと考えた
・最初から溝があったが、面接や契約時に詳しく知ろうとすべきだった
・せっかく転職が決まった会社を短期で辞めたのは私も残念だが、この苦い経験を次に活かしたい
・事前に聞いていた話と違って残業が非常に多かった
・上司のパワハラがきつかった
・諸々の事情で離職率が異常に高い職場だった
といった辞めざるを得ない明確な事由を詳細に書いても、「不平不満や愚痴の多い人」と見られるだけです。ほどほどに。
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具体的な書き方の例
ご参考までに、実際に応募書類に記述する際は、以下のような書き方があることをご紹介しておきます。
①経歴の通り、私は前職を3カ月で自主退職しております。
→ここもセオリーどおり、数字を用いて事象を振り返る。
②この背景には、雇用契約、特に給与面に大きな乖離がありました。
→端的に退職理由を述べておく。
③やりたい仕事でしたので、短期で退職するのは断腸の思いでしたが、不信感を持ったまま継続勤務するのは、相手にとっても失礼と思い、早々の退職を決断した次第です。
→自分なりに考えたうえでのことで、簡単に辞めた訳ではない点を説明する。