AIベースの言語翻訳サイト「DeepL」が10億ドル以上の評価額で1億ドル以上の調達に成功

ニューラルネットワークとAI技術を搭載した翻訳で有名なDeepLが、評価額約10億ユーロ(約1400億円)の資金調達を行ったことが明らかになりました。DeepLは実際に調達した金額の全容を開示していませんが、過去の発言や資金調達に関するレポートから、1億ドル(約130億円)から1億2500万ドル(約160億円)の調達を完了したと見られています。

DeepL, the AI-based language translator, raises over $100M at a $1B+ valuation • TechCrunch
https://techcrunch.com/2023/01/11/deepl-the-ai-based-language-translator-raises-over-100m-at-a-1b-valuation/

DeepL secures unicorn valuation – Tech.eu
https://tech.eu/2023/01/11/deepl-scores-100-million

DeepLは機械学習を用いることで精度を格段に向上させた翻訳サービスで、2020年3月には日本語にも対応しています。日本語と中国語の翻訳を追加した際にも、大幅な改善を加えたニューラルネットワークアーキテクチャを使用していることや、さまざまな翻訳システムで訳した文章を並べて翻訳家に評価してもらうブラインドテストを行うなど、高い翻訳基準の実現に取り組んでいることをDeepLは明かしています。

DeepLは主に個人向けよりも企業向けのサービスとして翻訳を提供しており、現在連携しているサービスでの翻訳を強化したり、より大規模な企業・サービスとの連携を拡大予定で、そのようなサービスの拡大や研究開発への投資のために、多額の資金調達を行っていると考えられています。2022年11月にINSIDERが示したレポートでは、5人の情報筋のうち2人はDeepLの調達可能金額を9億ドル(約118億円)、1人は10億ドル(約130億円)、2人は1億5000万ドル(約197億円)と評価しました。

また、同様の投資に関する情報筋によると、DeepLに対する10億ドルの評価額は、2022年末に5000万ドル(約65億円)だった年間ランレート(ARR)の20倍に基づいて算出されています。前年末の20倍という数値は一般的に見てかなり高いものですが、会社のビジネス成長率が100%であるという内部見積や、損益分岐点を通過し黒字化に近づいている点から高い倍率の評価額が推測されています。

DeepLの創設者でありCEOのヤロスラフ・クチロフスキー氏は「私たちは翻訳の面で常​​に競争状態にあります。私たちは大きな敵に慣れており、それを乗り越えて前進するのが、私たちの文化となっています」と述べています。自然言語処理と画像生成モデルを組み合わせた「DALL-E」や対話型言語モデル「ChatGPT」など注目度の高いAIツールを提供するOpenAIは、Microsoftが主導する投資で290億ドル(約3兆8200億円)の評価額を得ていると報道されており、「OpenAIが独自の翻訳サービスを構築した場合にはDeepLにとって強い競合になります」とIT系ニュースサイトのTechCrunchは指摘しています。

国内最大級の品揃え【DMMブックス】ロリポップ!

情報元
https://gigazine.net/news/20230113-deepl-valuation/