いよいよクリスマス。家族と一緒に過ごす人、恋人と一緒に過ごす人、友人何人かで集まって過ごす人は、きっと楽しいクリスマスの予定を立てていることでしょう。ですが、そんな人たちのことは知りません!
本コラムでは、クリスマスをひとりぼっちで過ごす予定のあなたを優しく迎え入れ、時には叱咤激励し、このクリスマスを乗り切るための勇気や気付きを与えてくれる「サブスクサービスで見れる」厳選タイトルをご紹介します!
『3D彼女 リアルガール』(2018年・日本)
(配信:Netflix / U-NEXT / hulu /dTV )
2次元を愛し、人と関わることが苦手なオタク高校生・筒井光(佐野勇斗)は、万引きの濡れ衣を着せられた超絶美少女・五十嵐色葉(中条あやみ)を庇ったことをキッカケに交際を申し込まれる。自分とは対照的な世界に生きる色葉からの猛烈なアプローチを新手のイジメだと疑いながらも、アニメやフィギュアに引くことなく対等に接してくれる姿勢に次第に心魅かれていく筒井。紆余曲折を経て徐々に恋人としての関係を築いていく二人であったが…。
■待っているだけでは良いことは訪れない
まず始めに、ヒロイン役の中条あやみが反則級に可愛い過ぎる! それだけでも見応えたっぷりで、非モテ×リア充の恋模様もコミカルで面白い。多少のツッコミどころはあれど、基本的には笑えてしんみりもできる程良い作品に仕上がっている。が、そんな風には受け止められない人も中にはいるだろう。もし仮に、「アニヲタでコミュ症で引きこもり予備軍」と蔑まれる主人公を他人だと思えないのであれば、本作はきっとあなたの胸を打つ。
リア充や陽キャ属性の人には笑って済ませられる作品に留まるかもしれないが、非モテ&陰キャ属性、ましてやクリスマスをひとりぼっちで過ごす人にとっては、胸を締め付けられる程切なく、それでいて勇気に満ち溢れた作品に感じられるはず。そもそも、中条あやみのような美女から交際を申し込まれることなどあり得ない。
仮に話す機会が訪れたとしても、上手におしゃべりなんてできやしない。話しかけたところで虫けら扱いされるのが関の山。と、そんな風に自分を卑下することばかりに囚われている内は、他人と本気で接することなど叶わない。だが、主人公・筒井は勇気を振り絞り、自分の殻に閉じこもっている者では決して開くことのできない扉の前へと歩みを進めていく。諸々こじらせている自覚がある人には、是非とも筒井が絞り出す勇気に触れてみていただきたい。
『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008年・アメリカ)
(配信:Netflix / U-NEXT)
仕事にもプライベートにも「ノー」と答える後ろ向きな男、カール・アレン(ジム・キャリー)。 そんな彼を見かねた友人に連れて行かれたセミナーで、どんなことにも「イエス」と答えると強引に約束させられたことから事態は一変。人が変わったように運気をどんどん上げていくカールは、偶然知り合ったアリソン(ゾーイ・デシャネル)と恋仲に。だが、全てが好転し始めた時、思わぬどんでん返しが待っていた…。
■極端な変化がチャンスをもたらす
決断を迫られた際、全てに「イエス」と答えれば人生が変わる。そう言われ仕方なく実行していくものの、人生が激変し始めていくカール。無論、都合の良い展開のオンパレードではあるのだが、人生を大きく変えようと願うのなら、それ位極端な変化を自身に強いなければならないことに気が付くはず。例えば、思い切って断捨離するのもそう、引っ越しするのもそう、転職するのもそう、何かしらの変化を生じさせようとする際には、大きな行動を起こすもの。
だが、その極端さが決定的に欠けていたからこそ、今年のクリスマスをひとりぼっちで過ごす羽目になっているのではないだろうか。一つだけ言えるとすれば、全てに「イエス」と答えることに戸惑いながらも次第に変化していくカールは、常にリスクを背負っていた。安心・安定の場から自らを遠ざけ、常に挑戦をし続けていくからこそ成長だってしていける。
何のリスクも背負わず、「恋人ができたらいいな」「良い人いないかな」「来年はきっと大丈夫」などと漠然と願っているでは到達することのできない境地へと達していく。彼のように全てを「イエス」と返せとは言わないし、「イエス」と答えるだけでは解決できないことも山程ある。しかし、本作を観たのなら、一時的にでも全てに「イエス」と返してみたくなってしまうのをはじめ、それに匹敵する何かを自身に強いなければならないことを強く自覚できるはず。幸い次のクリスマスまでまだ1年の猶予がある。いくらでも挑戦していける。
『天使のくれた時間』(2000年・アメリカ)
(配信:Netflixx / U-NEXT)
ウォール街で成功をおさめ、誰もがうらやむ生活を送る独身のジャック・キャンベル(ニコラス・ケイジ)は、クリスマスイブの夜に “もうひとつの人生” に導かれる。それは13年前に別れた恋人・ケイト(ティア・レオーニ)と結婚し、タイヤの販売をしながらふたりの子供を養う平凡な “ファミリーマン” としての人生だった。自分が選ばなかった人生を経験していく中で、これまで感じたことのなかった想いが芽生え始めていくジャックであったが…。
■人生の分岐点
かつて訪れた人生の分岐点。その時に選ばなかった “もしもの人生” を追体験していく中で、本当に大切なことが何であるのかを見極めていく主人公・ジャック。クリスマスをひとりぼっちで過ごすことになったあなたにとっての分岐点とは一体何であったのか。何かしら思い当たることがあると思う。そう、あなたが今年のクリスマスを一人で過ごすのは、そうならざるを得ない選択をしてきたからに他ならない。
本作で目にすることになるのは、ジャックが歩む不思議な道のりであるけれど、そんな彼を通して感じられるのは、自分自身にも宿る可能性。「あの時こうしていれば、あの時ああしていれば」、そんな思考に囚われることは誰にでもあるが、ジャックに訪れたような奇跡はおそらく僕たちには訪れない。だが、自らの選択や決断次第で現状から抜け出せること、楽しくHAPPYなクリスマスだって迎えられることを、この作品は教えてくれると思います。
『her/世界でひとつの彼女』(2014年・アメリカ)
(配信:U-NEXT / hulu)
第86回アカデミー賞にて脚本賞を受賞したスパイク・ジョーンズ監督×ホアキン・フェニックス主演作。そう遠くない未来のロサンゼルス。妻と別れ傷心のセオドア(ホアキン・フェニックス)は、最新型の人工知能型OSを手に入れる。自らをサマンサと名乗るOSとの刺激的な時間はセオドアの心を癒し、やがて二人は惹かれ合っていくのだが…。
■他者との関わり
物語の中にクリスマスの要素はないが、本作にはクリスマスをひとりぼっちで過ごす人にとって大切なことがたくさん描かれている。最新の人工知能型OS「OS1」。分かりやすく言えば、SiriやAlexaなどのAIアシスタントが現状の何倍も発展し、人間と会話するのと遜色ないレベルにまで達したもの。生身の肉体がないことを除けば、人と変わらぬ関係性だって築けてしまう。
そんなOS・サマンサとの出会いを経て、徐々に活気を取り戻し、サマンサと恋仲になっていくセオドアの姿を見ていれば、「こんな恋愛もアリかもしれない」と思えてくることだろう。むしろ、一人でクリスマスを過ごす人ならば、きっとそう感じずにはいられない。が、そこで気が付くことになる。何であれ、他者と関わるしかないのだと。
傷付くリスクも大いに付きまとうが、他者と関わらなければ喜びだって得られない。酷く脆いセオドアは、間違いなくあなたの仲間。彼が喜ぶ様に、彼が傷付く様に、是非寄り添ってみていただきたい。そうすれば、自分自身の脆さにだって気が付けるはずだから。他者と本気で関わりを持ちたくなるはずだから。そのために必要なものが何であるのかが見えてくるはずだから。
■吹き替えで観るのもアリ!
余談ですが、スカーレット・ヨハンソン演じるサマンサの吹き替えを担当するのは、「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイ役や、「名探偵コナン」の灰原哀役などで知られるベテラン声優の林原めぐみさん。スカーレット・ヨハンソン演じるサマンサもエキゾチックでセクシーですが、林原さん演じるサマンサも大人の色気が漂うセクシーさ。あえて吹き替えで観るのもオススメです。
『勝手にふるえてろ』(2017年・日本)
(配信:Amazon Prime Video / hulu)
24歳のOLヨシカ(松岡茉優)は、中学の同級生 “イチ(北村匠海)” に10年間片想い中。脳内に思い出の中のイチを召喚しては堪能する日々を送っている。そんなヨシカの前に、会社の同期で熱烈にアプローチしてくる “二(渡辺大知)” が突如現れた!だが、ニとの関係に乗り切れず、 “脳内片思い” と “リアル恋愛” の狭間で揺れ動くヨシカは、同級生の名を騙り同窓会を計画。ついにイチとの再会を果たすのだが…。
■一歩踏み出す勇気がなければ、喜びも哀しみも得られない
多くを求めなければ、傷付かずに済む。理解されることを望まなければ、拒絶されることもない。そんな自分を誤魔化すような生き方に慣れてしまえば、何もかもどうってことない。クリスマスだって一人で平然とやり過ごせる。そんな風に、自分で自分を洗脳するかのような生き方をヨシカはしている。
しかし、いつだって予期せぬ事態は訪れるもの。その都度、期待だってしてしまう。誰かとどこかへ出かけたり、手を繋いだり、キスしたり、SEXしたりetc…。そうして押し殺していたはずの欲望が容易く顔を出してしまう。二人の男性を前に、自身の内に隠しておいたあらゆる感情が溢れ出て、自分という人間から目を背けられなくなっていくヨシカ。そんな彼女の姿に触れれば自ずと分かるはず。言葉にしなきゃ、行動に移さなきゃ、何も始まらないし何も変わらないということを。
本作を目にすれば、ヨシカの勇気に触発されて何でもできそうな気持ちになると思う。だが、それは自分という人間が生み出した勇気ではない。勇気を出さなきゃいけないのはいつだって自分自身。一歩踏み出すために必要な “キッカケ” をこの作品は与えてくれるのです。
『パンチドランク・ラブ』(2002年・アメリカ)
(配信:U-NEXT)
世界三大映画祭の全てで監督賞を受賞したポール・トーマス・アンダーソン監督作。普段は真面目で温厚な性格だが、何かと干渉してくる姉たちと育ってきたため女性不信で情緒不安定なバリー(アダム・サンドラー)。ある日、姉の同僚であるリナ(エミリー・ワトソン)と出会い恋に落ちたバリーは、不器用ながらもアプローチを続けていくが、以前利用していたテレフォン・セックスの悪徳業者に付き纏われ金を要求されてしまう。リナとの恋を成就させるべく、悪徳業者のボス・ディーン(フィリップ・シーモア・ホフマン)と話を付けようとするバリーであったが…。
■足枷を作っているのはいつだって自分自身
踏み出せない理由を作っているのは、いつだって自分自身。その呪縛から自らを解き放つことができるのもまた、自分自身。何かしらの問題を抱えているのなら、一つずつクリアにしていくしかない。譲れないモノがあるのなら、意地でも掴み取りに行くしかない。本編をご覧になれば納得いただけると思うが、おそらくあなたよりもバリーの方が何倍も不器用な人間だ。
そんな男が、姉たちの過剰な干渉、悪徳業者の卑劣なゆすり、良くも悪くも爆発してしまいそうな己の感情に蝕まれながらも、必死に恋していく。今年あなたが振り絞れなかった勇気を全身全霊で振り絞り、愛しいリナのために状況を打開しようと奮闘する。劇中のバリーと同等かそれ以上に必死にならなきゃ、おそらく現状は変えられない。彼が絞り出す勇気が、きっとあなたの心に最上級の刺激を与えてくれることだろう。
『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』(2018年・アメリカ)
(配信:U-NEXT)
ぽっちゃりでサエない容姿を気にして自分に自信が持てないレネー(エイミー・シューマー)。一念発起してジムに通い始めるが、トレーニング中にバイクから転落、頭を強打し失神してしまう。目が覚めると、なんとレネーは絶世の美女に変身していた!というのはレネーの思い込みであり、実際は何一つ変わっていなかったのだが…。
■ありのままの自分を肯定できることの素晴らしさ
クリスマスをひとりぼっちで過ごすのには、人それぞれに理由があると思うのだが、自らに対する自信のなさがトリガーになっているということはないだろうか。誰だって、コンプレックスの一つや二つ抱えながら生きている。他人からしたらどうでも良いことであっても、当人にとっては大問題。
自分の中で対処法を確立できている人もいれば、どうすることもできず苦しんでいる人もいる。そして、後者のような人にこそ、本作は大きな気付きを与えてくれる。それは、今抱えているものを拒むのではなく認めてしまうことの難しさと大切さ。そして、ありのままの自分を肯定できることの素晴らしさ。
加工アプリで自分をよりよく見せようとするかの如く、どれだけ表面を取り繕おうと、実際のところは何も変わっていない。他人は騙せても、自分自身は騙せない。が、自分の心をも騙してしまうのがこの物語の始まりであり面白いところ。とは言え、レネーが自身を絶世の美女になったと思い込んでしまう一点のみがファンタジーであるだけで、それ以外に関しては全てがリアル。周囲からすればいつも通りのレネーだが、思い込みによって大きくマインドが変化した彼女の一挙手一投足が、心持ち次第で日々の生活や対人関係が如何様にも変化していくことを垣間見させてくれることだろう。
そう、自分で気にしている程、他人は自分のことを気にしちゃいない。見知らぬ他人の視線や評価など気にするだけ時間の無駄。自信のなさから生じる不安や恐れは、多くの機会や出会いを潰すだけ。本当に大切にすべきは、かけがえのない相手に対して、如何にありのままの自分でいられるか。余計なことに囚われてしまいがちな己の心を見つめ直す最良の機会を得られるのと同時に、見終える頃には最高にポジティブな気持ちになれますよ♪
『オー・ルーシー!』(2018年・日本/アメリカ)
(配信:U-NEXT / hulu)
さえない日々を送る独身OL節子(寺島しのぶ)は、姪の代わりに受講した英会話教室のアメリカ人講師・ジョン(ジョシュ・ハートネット)に恋をする。“ルーシー”というアメリカンネームと金髪のウィッグを与えられ、戸惑いつつもジョンの親密なハグによって眠っていた感情が呼び起こされていく。そんなある日、ジョンが姪と付き合っていた上、姪と一緒に帰国してしまったことを知る。ジョンを忘れられない節子は二人を追って、一路カリフォルニアへ!人生に不器用なあまり暴走する節子の旅の結末とは…。
■人はそう簡単には変われない
今の自分に満足している人なんてそうはいない。より良き自分を、より良き人間関係を、より良き生活を、より良き人生を追い求めながら生きている。だが、人はそう簡単には変われない。10代でもあるまいし、ある程度の年齢に達してしまえば、価値観も趣味嗜好も凝り固まってくる。また、人生を変え得る程の大きな出来事もそう頻繁には訪れない。追い詰められて、どうにもならなくなって、後がなくなって、ドン底の一歩手前までいって、ようやくそのチャンスに巡り会えるものではないだろうか。
現状が良くないことは節子も重々承知していたものの、自分ではどうすることもできずにいた。繰り返しの毎日に耐え忍ぶのが精一杯で、現状維持か破滅的なドロップアウトを選ぶしか道はない。それならば前者を選ぶしかないし、打開策も容易には浮かばない。キッカケはいつだってこちらの思惑とは異なるタイミングでやってくる。万全の状態で臨めれば良いが、準備不足のまま決断を迫られることもある。そして、選択を誤れば、あっという間にキッカケは潰えてしまう。
■「変わる」のではなく、自分を「理解する」ということ
人はきっと「変わる」のではなく、より深く自分という人間を「理解」していくものなのだと僕は思う。自分の良き部分を伸ばすには、自分に何ができて何ができないのかを把握する必要がある。自分の汚い部分を抑え込むには、直視するのが嫌になる位まで自分の醜さや卑しさを把握する必要がある。そうしてやっと見えてくるものがある。
ただ漠然と「変わりたい」と願っているだけでは、限られた人生の時間を無駄にしていくだけ。たとえ打ちのめされようとも、挑戦をしなければ何が自分に合うのかを見極められない。見苦しい程がむしゃらに生きていく節子の姿に、あなたは一体何を思うだろう。クリスマスをひとりぼっちで過ごす人にとって、節子の生き方は大きな指針になるかもしれません。
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いかがだったでしょうか? ここまで紹介した、いずれの作品もサブスクリプションサービスで家に居ながら気軽に見ることが出来ます。紹介した8本の内7本はU-NEXTで配信でされており、現在U-NEXTでは31日間、月額利用料が無料のキャンペーンも実施中! 1人につき1回限りの利用になりますが、この機会に登録してみてはいかがでしょうか?
どうかその胸に宿る “孤独” を自覚し、噛み締めてみて欲しい。とてもつらいかもしれないけれど、紹介した8本の作品は、きっとあなたの味方でいてくれる。それでは、実りあるクリスマスの時間をお過ごしください。メリークリスマス♪
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